小水力発電は環境に優しい再生可能エネルギーとしても注目されています。再生可能エネルギーとは、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなど、自然界に存在するエネルギー源を利用して発電することです。再生可能エネルギーは、化石燃料に比べてCO2排出量が少なく、気候変動の緩和に貢献するとともに、エネルギー安全保障や地域活性化にも有効です。
小水力発電の仕組みは、水の流れる力を利用して水車(タービン)を回し、その回転力を発電機に伝えて電気を作ります。水車には、水流を勢いよく羽に当てる衝動水車、水流の中に水車を置き流れの水圧によって回す反動水車、水の重さで回す重力水車など、さまざまなタイプがあります。水車のタイプは、設置場所の立地、高低差、流量などの条件に合わせて選ばれます。
小水力発電の長所としては、24時間365日安定して発電できること、大規模な開発を必要とせず自然への影響を最小限にできること、都市・郊外を問わず全国各地に設置のポテンシャルがあること、水源地近くのコミュニティが運転・保守を行いつつ電力を消費する「地産地消」に適していること、発電時CO2排出がないことなどが挙げられます。一方、短所としては、必要な落差・流量を確保するため立地条件に制限があること、一つの発電所で発電できる容量が小さいこと、水利用権の整理や河川利用に関わる法規制への細かな対応が必要なことなどが挙げられます。